ところで,レックスとモア(RexandMoore;1967)による住宅階級(housingclass)
の概念は,世帯の住宅へのアクセスの違いによる階層格差を指摘
したものであると理解できる5)。わが国における公営住宅の供給の大部分は,
住宅購入による住宅取得が困難であったり,民間借家市場における家賃支払い
能力が極めて脆弱な世帯を対象としたサブマーケットに位置づけられる。その
ため,良質の住宅に入居することが経済的に困難な住宅階級向けに供給される
公営住宅は,入居者の所得の上限が制定されていることによって,住居費を指
標とした経済状況においては等質的な居住集団が形成される可能性を包含して
いることになる。

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同様に,竹中(1990)は住宅階級の定義を「住宅の所有関係と集合居住とに
よって相互に区分けされた世帯の集合」であるとし,所得水準によってクラス
分けされたニュータウンにおいては差別や階層間の葛藤・紛争をさす住宅階級
問題を発生させることを指摘している。竹中によると地方自治体が建設・経営
する公営住宅は,一種の社会的な漁過作用(フィルタリング効果)により特定
の社会階層を特定の住区・住棟に集め,つねに低所得者が滞留するハウジン
グ・トラップ(住宅政策のわな,落し穴)と呼ばれる問題を発生するとされて
いる。

また竹中(1992)は,公営住宅における住宅階級問題のメカニズムを入居の
ための制度的枠組み(公営住宅の場合の所得制限)が,居住者を階層的にふり
わける一種の弁別メカニズムとして機能し,所得の不平等を住宅の平等化とし
て是正するはずの住宅政策が階層区分をみえるかたちでの「空間化」すること
によって,新たな差別の形態を生み出すと指摘している。

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