これについてノックス(Knox;1987)は,「公営住宅が都市の空間構造に与え
る影響について,経済的・人種的居住分化を局地化することによって社会問題
を合成しながら,強化している」(224p.)と指摘している。一方で都市管理
者の役割に関しては,ジョンストン(Johnston;1979)は重要な役割を持つ
ものとしてみるべきものではあるが,経済的・社会的・政治的プロセスが活動
に制限を与えるという都市システムの状況において,限定的な重要性としてみ
るべきであると指摘しており,過大に評価すべきでもないとも思われる。

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しかしながら,公営住宅の供給が直接的あるいは間接的に都市内の居住特性
に影響を与えることは前述のように明白であり,他の種類の住宅以上に都市管
理者が「希少資源」の配分への影響力を最も強く発揮できる分野のひとつであ
ると考えられ,都市マネージャリズム論が生みだした多くの研究の関心は例外
無く住宅に向けられている(ピンチ;1990)。

すなわち,公営住宅居住者の居住特性をコントロールするのは,住宅の種類
などの決定や配置を行う政策的な作用であるが,一方,民間住宅市場において
は住宅の分譲価格や賃貸料によるフィルタリング作用が働くことによって居住
者特性を創出していくと考えられる。つまり民間住宅市場では,住宅の老朽化
にともなう居住者の社会的ろ過作用(フィルタリングダウン)がみられ,年次
経過とともに居住者の転出入が行われ,一般的には前住の世帯より低い社会経
済的地位の世帯が入居するという連鎖的居住地移動(chainmigration)がみ
られる。その際の居住者特性の形成や変容には,主として世帯の経済力を基準
として居住者選択する経済的論理が働いていると思われる。したがって,居住
者特性には地価に対する負担力をフィルターとした居住者選別作用が働くと考
えられる。

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